新体操の解説者・田中琴乃さんの解説の素晴らしさについて、
その1の【声】と
その2の【滑舌】
その3の【解説の内容】
に分けて書いてきました。
最後に、まとめ、です。
セミナーやトレーニングで、冒頭によく私がお伝えしているのは、
うまく話したい、と思う場合は、
「声。といいますか、感覚として印象を左右する「音」としての要素」と、
「理解してもらう話の内容(校正等)」とは分けて考えるべき。
どちらも良いことが、その人の話が良い、その人が良い、ということになるため、
別々に分解して練習する必要がある、ということです。
田中さんも増田さんもまさに、その両方が良い、のです。
1の声や滑舌については、マラソンの増田明美さんの解説も今回のリオオリンピックでも話題になりました。
例えば、新体操はあまり見ないから、その演技・踊りが、よくある振付なのか独創的なのかもわからない。
身体の動き1つも、しなやかできれいだな~と思う程度でそれが普通な気もしながら見ているけど、どんなしなやかさか、それがたまたまその選手だけなのか、
その国の特徴なのか、等までよくわかります。
これらはほとんど生まれ持ってのもの +(プラス)、現役を引退して様々なところで解説を経験したり、現在の仕事内で、たくさんの人に化粧の仕方等を教えるたちばに立つなど経験だと思われます。
トレーニングを特にしなくても、元々、ある程度の声の出し方ができていれば、
人に伝えようとする、人が聞いている、という意識さえ身につければ、
頑張りすぎず無理のない、とても自然な感じでこのように聞こえやすくなります。
解説者としてテレビなどで話す方は、最低限、この雰囲気が必要なのです。
田中さんのような、元々そういった声の出し方ができている方の方が少ないですが、
ほんのちょっとの訓練でこれはすぐにできるようになることです。
まず、テレビやラジオという、何かしながら、画面を見ていない、車なら町の騒音やクラクション等雑音の中で聞いている人もいるので、まずは声を聞こえるように話さなきゃ、という意識は忘れてほしくないものです。
厳しい表現ですが、現役選手の頃のように注目してもらえる立場ではなく、
注目してもらう立場であり、その人の解説でそのスポーツに興味を持つ人が増えたり、
誰だろうこの解説者、わかりやすくておもしろい、となれば、
その人のファンが増えるだけでなく、それを聞いた他のテレビ局や番組担当者から、うちの番組でも・・・となるはずですから。
スポーツ選手は、引退後のセカンドキャリアについては水面下では課題として挙げられているようです。
現役のうちから、または小さなころから、
スポーツの技術を教えるとともに、
大人の人、ファンの人、テレビラジオ等のメディアの人達からの見られ方を意識した、声の出し方や話し方の教育をちゃんとしてあげれば、
現役中からもっとファンが増え
↓
モチベーションが上がり
↓
成績アップにもつながり、
↓
メディア出演の機会も増え
↓
その選手に憧れてそのスポーツを始める子供も増える
↓
さらにはCM出演依頼等も舞い込み
↓
引退後、解説者やタレントの道も開かれたり、
または、スポーツ教室の講師・社長として、一般のお客様対象の仕事に着く際に、
今まで一般マナ―を知らなかったことに屈辱を味わったり一から勉強する苦労も味わわなくて済む。
↓
引退後の生活に不安感を感じることなく、明るい第二の人生を進むことができる。
など、未来の人生につながっていきます。
こういったことはスポーツ界だけではありませんが、
この、「声・滑舌・話すスキル」の大切さをお伝えすることで、
スポーツに打ち込んでいらっしゃる皆さんを応援させていただきたい!
と、普段から思っていますが、一層思わせてくれたリオオリンピック、
田中さんの解説でした。
追伸。
ちょうど、ボルト選手の人間性についての記事がありました。
こういった人間性も非常に大切。
私の講座の中では、一般常識や、マナー、
たとえば人前でため息をつく・大口を開けて平気であくびをする、
などの無意識でやってしまいそうなこと、は徹底的に
「それは感じ悪い!」
「周りの人が嫌な気持ちになる」
「品が無い人と思われる」
「全然人目を気にしない人間です、と言っているようなもの」
と、あえてキツイ強い表現で伝えます。
昨今こういうことをちゃんと指導する人が少なく、本人がそれが悪いと気づかずに社会に出てしまい損をしている場合が多く見受けられるからです。
良いか悪いかを知った上で本人がそれをやり続けるならそれは自由です。
ですが、知らないのがかわいそう。
それでいて、陰ではまさに本当に
「あの人感じ悪いよね」とか、「なんか話し方がムカつく」とか、「品が無い」
という表現で話題にしています。
その表現は直接本人の耳に届くことはありません。
だから敢えて、
「正面切っては誰も言ってくれないと思うけど、陰ではこう言われる可能性があるんだよ。
それで良いなら良いけど、それが嫌なら、変えた方がいいね」と。
知っていると知らないとでは大きな違いなので言うことだけは言っておきますが、
あくまでもそれを受け入れるかどうかの最終的ジャッジは本人です。
ということも大切にしています。
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