夏休みや冬休みになるとNHKラジオで放送される「子ども電話相談」
この番組は私は大好き。
声の印象や話し方のトレーニングをする立場として非常に参考になります。
まずは、子ども。
あ、○歳でこれだけちゃんと話せる子がいるのか。と思うことが
子ども達にトレーニングを行うときの指標にできるのです。
○年生にどこまで求めていいかな、と考えたとき、
子ども電話相談室で、幼稚園でもハキハキ答えている子がいると、
幼稚園でもここまでできるんだな、と思います。
また逆に、4年生くらいになってもモゴモゴして暗~い話し方の子ももちろんいます。
考えを言えるかどうか、もありますが、
それ以前に、もしもし、や、おはようございます、の基本的なことを
ハッキリ元気よく言えるかどうか。
これは、何によって差が出るのでしょう?
何を聞いて子どもたちはその話し方になっているのでしょう。
誰に似ているのかしら。誰に教わったのかな。。。
教わっていないかもしれませんしね。
※ただ、ここで重要なのは、話せるようになる時期は個人差があります。
一般的には、女の子は早い、男の子は遅いと言われます。
同じ年齢も誕生日によったり、性格によったり。
その話し始めの時期の早い遅いはじっくりその子を見守って待ってあげると良いと言われていますね。
ここに書くことは、ある程度話せるようになったら、という段階のお話です。
どうぞ誤解なきようお読みいただければ幸いです。
子ども達の話し方は”環境”で決まる、と私は考えています。
なので、幼稚園の子でもハッキリ話す子を聞くと、
そういう”環境”を子どもの周りに作ってあげれば、ほとんどの場合は
ちゃんと話せるようになるはず、と思うのです。
番組の中で注目すること、次は回答者である先生方です。
科学や生物など、それぞれの専門の大人たちです。
子ども達に、「○○さんこんにちは」というひと言で、
わ~、なんか楽しく話してくださりそうな先生!と期待感を持たせる声の方。
んー、なんか難しい話をしそうな雰囲気。。。と、こちらのテンションも落ちる先生。
とってもわかりやすく話してくれる先生。
先生、それ、全然小学2年生の子にはわからないと思います、私もわからないもん。と思う先生。
などなど。大人でもいろいろなお話の仕方はいろいろです。
そして、アナウンサー。つまり司会者です。
子ども達がいいたい事をちゃんといえないときに、
助け舟を出していいたい事をまとめてあげたり、
先生方の話が難しいと感じれば、司会者が
「○○ってことですか?」と小さな子にもわかるような言葉を使い、
それを質問として投げかけることで実は簡単な言葉でまとめている。
つまり、通訳です。
ちなみに私はこの立ち位置が大好きです。
聞き手と話し手の間をとりもつ立ち位置。
話し手の話を聞き手全員で一緒に共有して、
楽しんだり、へ~って思ったりしたい。
そこに、「え??? どういうこと?」という人が、
できれば一人もいて欲しくない。だから万人にわかるように伝えたいし、
多くの人と一緒に、「そうだよねそうだよね~」と共感して楽しみたい。
なので、アナウンサーの絶妙な助け舟やフォローを聞いてワクワクするのです。
子ども達はいろいろな話し方をします。
もちろん、それで良いです。
ただ。ちゃんと話せる子のほうが、良い機会に恵まれることは多いのではないか、と私は思っています。
もし、うちの子もぜひラジオで喋らせてあげたいわ!と思ってこの子ども電話相談室に電話をしたとき、
どんな子が選ばれるか・・・。
以前、この番組の番外編の特集で、先生方だけでお話されているときがありました。
「いや~、子ども達にわかりやすく話すのって難しいよね~」とみなさんおっしゃっています。
たしかに聞いていて「先生たじたじ・・・」と、
苦しみながら一生懸命答えていらっしゃる様子がありありとわかるときもあり、
先生がんばって!と応援してしまうときもあります。
終わった後、しまったな~、と思っていらっしゃる先生ももちろんいらっしゃいます。
番外編でもそうおっしゃっていました。
そんな中、どういった子ども達だと先生も嬉しいな、というお話がありました。
そこで先生方から出た多くの意見は
「やっぱり元気な子がいいな~」と。
あの番組は、生放送中に電話で質問を受け付けています(メールでも受け付けている様子)。
そのたくさんある電話の中から実際に放送に出られるかどうかが決まるのではないかと思います。
(これは、私の想像で、確かめたわけではありませんが)
そのときに、もちろん、質問のよさ・おもしろさもあると思いますが、
親がラジオに出させたくても、子どもがゴニョゴニョ話して、ラジオで聞いている人が
何を話しているかわからない、という子が、果たして選ばれるでしょうか。。。
電話なので、先生方も子ども達に「○○でしょ?」「○○のときはどうしてるの?」など、
放送中に言葉を投げかけ、会話しながら質問に答えていきます。
その質問に対する返事が、無言に近いほどにゴニョゴニョ言っているだけ、であったり
はっきりしゃべらず聞き取りにくい、声が小さい、
では、先生たちも困ってしまいます。
(そこでアナウンサーさんの力が発揮されることになるわけですが、
それでもなんともならないときもあります)
さらにいえば、そんな感じでハッキリ聞き取れない子が電話で話しているその向こうで、
兄弟なのか、より小さな子が近くでキャ~キャ~言っていて、
電話口の子の声が聞こえないなんてこともあると、
いったいどういう教育が行われているのか・・・
と、もちろん先生方やアナウンサーさんは口が裂けてもそんなことは言いませんが、
そう思っていることでしょう^^
ちなみに、子ども電話相談室は、
「○○県の、○年生(または○歳)、○○○○さんです」と、
この、個人情報が、といわれる時代にバッチリ名前が出ます。
もちろん保護者の方も承知の上。
その条件の中で、子ども達が話すのは、意識していなくても
いま、この子の話す力はこれくらいです、と全国に披露している、ということにもなります。
上手じゃなくても良いんです、プロじゃないんだから。
(これは私がよく言う言葉。
話のプロになるなら別ですが、まずは元気よく、ハッキリ、伝わるように喋ろう!
これが子ども達には最も大事。
(もちろん大人にも。ただ、大人はこればかりでは済まされませんが)
元気に話せたら、こうしたラジオでも、出演できる可能性が高まるかもしれません。
そこで、同じ年の子よりも、年上の子よりも、元気良くしっかり話せたら、
「すごいね」と言われるかもしれません。
そうしたらまたそれがきっと自信になって、よりハッキリ話すことを意識するなど、
良いサイクルが生まれてくるかもしれません。
あ、また長くなってしまいました。
そんなわけで、この番組は、声の印象や話し方、という点で、
子どもだけではなく、実は大人も、聞いて非常にためになる番組だな、と思います。
それよりも、子ども達のビックリするような質問と、それによって知らなかったことを知ることができる、
という面白さと驚きと、知った喜びの方が大きいですけどね♪
次の放送は春休みかな? 楽しみです。