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プロの話し手をめざす学生たちに、使わないように、と伝えている言葉遣い

声優やタレントを目指す学生たちに、指導させていただいています。

そこで「この言葉は使わないように」と言っている言葉があります。
その一部は

「私”的”には」
「大丈夫です」
「ヤバい」
「~の方」

などなど。
いわゆる「ファミコン言葉」はもちろんのこと「若者言葉」であったり、
大人の多くが嫌がる言葉、などです。

少なくとも私の講義中、たとえ学生同士でも使わないように、と。



私の講義担当は主には、
「声の出し方」や「滑舌」「発音」「アクセント」など、

人に声で(話して)モノを伝えるプロ、になる際に必要な、根幹の部分です。

声優という、台本を読むのが主となる職業には、特に重要です。


でも私が学生たちに求めているのは、台本を読むときだけ、のスキルだけではありません。

声優等、芸能界、話す業界だけでなく、
どんな世界で生きていくにも役に立つ力を身につけていただくことです。


自分の言葉で話す時にも、
どの年代の人にも、印象良くわかりやすく、
そして聞いてくださる相手がどんな一流の方々であっても、
怯えることなく、楽しく対話ができるように。

そのレベルを目指して欲しい、と思い指導しています。


人気が出て売れた時、
「日本だけではなく、世界で活躍できる人になってね」と。


そのためには、”きちんと話せる”
ことがさらに重要になってきます。
なので、冒頭の言葉遣いにも触れています。


自分のステージが上がってきたら、
アクセントがどうこう、原稿を上手に表現できる、よりも
敬語でしっかり話せるか、の方が重要になってきます。


10代でも、デビューしたての20代でも、いきなり人気が出たら、
自分の感想を言うときなどに、
美味しいものを「ヤバい」としか言えなかったり、
「私的にはぁ~、○○みたいな・・・」
という話し方しかできないと、

日本全国津々浦々まで放送されるNHKの番組に出していただける順番が、
ライバルより遅くなる可能性があります。
(NHKに出られれば良い、という問題ではなく、
有名になりたいなら、
どんな地域に行ってもおじいちゃんやおばちゃんもみんな知っていてくださる、
という現象が起きやすかったり、
NHKにも出てるの!? という未だ強い、NHKへの高い信頼度に便乗!?(笑)させていただけるなど、の体感効果、のような観点からです。)


一流の方々とご一緒させていただける場には、ふさわしくないからと、
呼んでいただけないかもしれません。


確率や可能性の問題です。
マイナスの印象の確率を高めたままでよいのか、
ちょっとでも高い確率で、さらに上に上がっていける力を身につけるのか。



プロになる、その道を極めたい、と思いどうせ練習するなら
一流を目指した方が効率が良い。
というのが私の考え方。

(ちょっと習い事、という感じなら、そんな考え方よりも、
断然楽しさ優先!♪!♪!♪)


友達同士と話す時くらいはいいじゃん!と思うでしょう。

その考え方も賛成です。


でも、私が冒頭のような言葉を「使わないように」というのは、
その言葉を使わないことが目的ではなく、
その言い方をしないことで、
じゃぁ何と言ったらよいのか、と考え、
その言葉を絞り出し、その数を増やし、
その場にふさわしいニュアンスまで表現するには
どの言葉が良いのか、を選ぶことができるセンサーを磨くことにあります。


実際に、学生に「私的には。。。」
という言葉を使わないようにする代わりに何と言う?
と尋ねると、

「私としては」
「私は」
「私が思うには」
「私が考えるには」
「これは私の意見ですが」


などなど、時間をかけて考えてもらうとたくさん出てきます。
似ているようで使う言葉は微妙に違う、
これが、ボキャブラリーの豊富さにつながります。
また、口にしてみることで「私は」というのはちょっと違う気がする、
という、感覚が働くようになってくるのです。


たった一言使わないようにするだけで、それに代わる表現は3つも4つも出てきます。

これを「私的には」を使い続けると、とっさの時にそれに代わる言葉は口から出てきません。
頭をよぎりもしません。


私たちの職業は、きれいに話す(明瞭な発音で話す)職業の人、
と思われるだけでなく、
話すプロだから言葉も知っている職業の人、
と解釈されます。


そのため、若いうちからそんな、言葉、にも意識を払いながら成長していただけると良いな。と思っています。



高校や大学を卒業後、引き続き学生の道を選んだ人と違い、
企業に務めた同級生は、
既に、お客様や上司に、敬語を駆使し失礼のない言葉遣いを一生懸命覚え、
対話しています。
高級感や品格が必要な部署に配属になった人はそれはそれは言葉遣いに気をつけていることでしょう。


いくら滑舌やアクセントを正しく話すことができても、
社会でより必要とされるのは、
公共の場で通用する敬語でしっかり話せる人。
が優先されるのは否めません。


がんばろう!学生のみんな。もちろん一緒に。私だって
まだまだいまだに新しく知る言葉遣いがたくさんあり、
自分の辞書は常に更新中です。

イマドキノコトバ、もね(笑)









   

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