どうしてスポーツ選手なの?
2019.07.25
私は、No.1、トップ、リーダーという立場の方々に
インタビューなどのメディアトレーニング、プレゼンテーショントレーニングをさせていただいている。
そこへの私の思いは大きく2つある。
一つはまぁふつうのこと。もう一つへの思いは大きい。
その中身とは。
その立場の人は必ずと言って良いほど大勢の人に対して話す時が訪れる。
経営者なら株主総会、スポーツ選手なら優勝インタビューなどなど。
そういったときのためのトレーニングに対して
まず私の1つめの思いは、
あえて軽~くサクッと言うと、
自分にとって、そういった時にしっかりかっこよく話せたほうがよくありません?
◯◯なのに、、話すの下手だねぇ、話すとザンネン、と言われるよりも。
ということ。
もちろん、ご本人が変わることを望むか望まないかが最も重要。
矯正するつもりもない。話すのが下手でもそれが魅力になっている人もいる。
すべては、ご本人が、自分がどういう印象を周りに与えたいか、の気持ちが最も重要。
もう1つの思いはちょっと角度が違う。
周りの人のためにも、ぜひしっかり話せるようになってほしい、と
おせっかいながら思うのだ。
なかでも、スポーツ選手の皆さんにぜひ!という気持ちが強い。
そこでなぜスポーツ選手なんだ?と時々聞かれた。
少し前に、そこを徹底して聞かれたことがあった。
その答えは。非常に多くの人に影響を与える存在だからだ。
極端な例を上げると、元 大リーガーのイチロー氏の存在は、
子どもたちはカッコいいとあこがれ、ビジネスマンも考え方を真似し、
インタビュー会見ではユーモアたっぷりに話す姿に「あんなふうになれたらいいな」と思わされた人も多かったはず。
サッカー選手もそうだ。
長友選手に憧れた子どもたちは多く、リーダーシップ論を書いた著書を買った人もいただろう。
スポーツ選手は、「ニュース」になる人なのだ。
ファンを喜ばせるだけでなく、一般の人も引き寄せる力、巻き込む力がある。
発言や見た目も影響を受ける。真似しようと思う。
だからこそ、夢を見せてくれる存在として、カッコよく話してほしいし、
生き生きと話してくれればこちらも元気が出てくる。自分もガンバロウ、と思う。
子どもたちはその言葉遣いや使うフレーズも真似するだろう。
だからこそ、周りにマイナスの影響や印象を与えることは減らし、もっともっと、存在そのものを、目標にしたり目指していくような存在になってほしいのだ。
Jリーグ発足当初、サッカー人気が大爆発した頃、
Jリーガーの言葉遣いが美しくなく、とてもバッシングされる時代があった。
あんなに活躍して人気があった。のだが、でも、それなのに、
なんだあの話し方は!と片方で酷い評価となっていた。
先輩選手がそうだから後輩選手もみなその話し方になっていた。
あんなに活躍しながら貶(けな)されるって、なんだかイヤだ。
ファンとしても嫌だ。
あんなに活躍しながら、悪いお手本(もちろんこの場合は言葉遣いの点だけの問題)のように言われるなんて!
それよりも、その話し方など、どれをとってもステキ、でいて欲しい。
特に子どもたちは「◯◯選手みたいになりたい」という。
スポーツ選手は、未来を作る子どもたちがどういう人間になっていくか、の点においても非常に大きな影響を与える存在。
落合博満氏は、昔、「僕は知られていて、子どもたちにも見られる人だから」と、
道路を横切ることはせず、大回りしても横断歩道を渡る、とおっしゃっていた。
そういうことなのだ。
一流の人はそういう、誰が見ているかわからないような小さなことも、お手本になるようにしている。
インタビューで、人に対して、まして何百万人もが聞くかもしれない取材シーンでの話し方も、そんなふうに、お手本になってほしいのだ。
だって、スポーツ選手は「ニュース」で流れる人だから。
芸能人は、どんなに活躍してもそのチャンネルや番組を見た人にしか見られない。
スポーツ選手の活躍は「ニュース」「報道」なので、どこのテレビ局でもラジオ局でも新聞でも、ほぼみんな、全国一斉に流れる。
それだけ多くの人に影響を与えるのだから、
あの人のように笑って感じ良く(カッコよく)受け答えできる人になろう、と沢山の人に思われるスポーツ選手が増えるといいな。
そうすると、
前に書いた、私が最終的にやりたいこと、にも実はつながるのだ。