バス運転手さんの声 他

市営バス車内アナウンス「今日も一日お疲れ様でした」の声<3>

「今日も一日お疲れ様でした。」
そんな一言で、発車時刻を待つバスの車内アナウンスは始まりました。
今夜の運転手さんはちょっぴりベテランの方のよう。
一方的に車内に響き渡るだけのアナウンスではなく、
完全に自分に話しかけられていると感じてしまう。
ただ「このバスは◯◯行きです」というアナウンスにも返事をしなきゃ申し訳ないような気になる話し方。
こんな話し方は、夜、ラジオで聞きたい。
普通に話すだけで語っているように聞こえるのです。
もしこの運転手さんの肖像画を書くとしたら、
髪にちょっと白色を多めに使い、
目尻にもハンドルを握る手にも、
人生経験を重ねた分だけの
太かったり細かったり、長かったり短かったり…
いろんな線を、ほんのちょっとだけ多めにしておこうかな、
と描き入れるかな。
(あくまでも声からの想像です)
声にもそんな経験が、おだやかさになって現れています。
透き通る声ではなくて、何本もの線を束ねたような感じ。
しゃがれ声とも言うでしょうけれどけ決して悪い意味で伝わって欲しくない。
日本昔話が似合うやさしいおじさん、といった声です。
そんな声だからこそ、
第一声の一言で、ふう~っ、と身体の疲れを追い出すような深呼吸が自然に気持ち良くできた。
私は昔から地下鉄よりバスが好き。
それは、運転手さんの人柄がとても感じられるから。
お年寄りの方をとても気づかったり、
鼻歌がうっすら聞こえてきたり、
お客さんをちょっと笑わせてくれたり。
名古屋の都心を走るバスでも、
そんな人間味のある雰囲気が、
それぞれの運転手さんの声で作られているのです。
声に関わる仕事をしているからこそ今こんなふうに思うけど、
そういえば昔からなんとなく話し声を聞くのが好きだったのかな~。
ちなみにバスのもう一つの魅力。
お客さんの会話が電車よりバスの方が断然多い。
女子高生やおばちゃん達の世間話は知らないことを教えてくれます。
地下鉄が、オシャレなCAFE
とするなら
バスは、喫茶店。
バスも喫茶店もどっちも好き♪(^^)
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